【読書感想】「今はじめる人のための俳句歳時記 新版」

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俳句を始めたい、というわけではなく、語彙力・教養力アップに役に立つかな、と思って手にとった本がこちら。

角川学芸出版編の「今はじめる人のための俳句歳時記 新版」です。これがなかなか読みやすく、かつわかりやすい。普通に読んでいておもしろい内容の本でした。

概要

「今はじめる人のための俳句歳時記 新版」は、よく使われる季語だけを抜粋して載せた、基本的な歳時記(※「歳時記」とは、俳句の季題を分類、解説を足して例句を載せる形式の書)。

1年を

  • 新年

の章に分け、さらに各章を

  • 時候
  • 天文
  • 地理
  • 生活
  • 行事
  • 動物
  • 植物

のに分類。その中の代表的な季語を、「言い換えの季語」「解説」「例句」を挙げて紹介しています。

感想

教養を深めるための書籍として、シンプルにおもしろいです。

「春」の中で紹介されている季語の中から、一例を挙げてみます。

「立春」は日常でも良く耳にする言葉。なんとなくニュアンスでいつ頃を指す言葉なのか、理解している人も多いでしょう。

「啓蟄(けいちつ)」は人によっては、ちょっと耳慣れない言葉かもしれません。私は「春に虫が穴から出始める時期」ぐらいのニュアンスで理解していましたが、言い換え語を見ると「蛇穴を出づ」とあり、虫の他にも蛇やトカゲを指すよう。理解が深まります。

「冴返る(さえかへる)」は、聞いたことがあるような、無いような。これは「寒さがぶり返す」ことを意味する言葉。暖かい日のあとに寒さが戻ることを指し、「寒戻る」とも言うそう。例句として

  • 冴え返る夜やトルソーに叫び声(大野今朝子)
  • 冴返る檜のなかの翌檜(あすなろう)(小澤實)

などが挙げられ、よりその雰囲気を感じ取るとともに、俳句文化に触れることができます。

こんな感じで平易に読みやすく綴られる、季語の数々。知らなかった言葉はもちろん、知っている言葉もより正確な理解を深めることができます。またその季語を使った代表的な俳句が紹介されているのもいいですね。俳句の美しさ・深さを感じ取れます。

まとめ

以上、「今はじめる人のための俳句歳時記 新版 」の感想でした。とても読みやすい、俳句歳時記。俳句を作る人以外でも、教養を深めるために役に立つ本であると感じました。

読んでいると、今までなんとなく理解していた言葉や、または間違って覚えていた言葉に気づいたり。読めば読むほど、自分の無教養を痛感します(笑)。冒頭から読むも良し、パラパラとめくって当たった箇所を読むも良し。俳句目的以外でも楽しめる教養書です。

今はじめる人のための俳句歳時記 新版 (角川ソフィア文庫)著者:出版社:KADOKAWA / 角川学芸出版

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